yoko's profile韓国留学記 ~その後編~BlogLists Tools Help

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    January 29

    圧倒的な力

    先週の半ばは 睡眠不足で 頭がクラクラしていた。

    夜遅くまで 本を読んでしまったためだった。

    いくらか前に 映画化された、梁石日さん著『血と骨』を読んでいた。

     

    梁石日さんの本では 『夜を賭けて』を数年前に読んだ。

    ニンゲンの生々しさというか、私から見て「非日常」の連続だとか、

    日々の暮らしのなかの 壮絶な様子が 押し迫ってくる感じがして、

    読み終わった後、どことなく居心地が悪かったのを覚えている。

     

    『血と骨』は、梁石日さんの父をモデルにされたものらしい。

    その「父」の一生を中心に、 

    家族、親子、時代のうねり、金、葛藤、軋轢、暴力、欲望などの混沌を

    ものすごいスピードで 疾走していくような話だった。

    とにかく目が離せなかった。 じぶんの脈拍が おかしくなるんじゃないかと思った。

     

    安定とか、ささやかな幸せとか、そういうものの ごまかしが一切なくて、

    それで何度も突き落とされて、結局呆気なく死んでいく人生とか、

    死んでもなお連鎖していく血のつながりとか、やるせない気持ちになったりする。

     

    けれど私は、 汚れのない生活が綴られて 感動的な死期で締めくくられて

    周囲の人間がその感傷に浸るような 「美しい」「感動的」といわれる文章の塊と、

    この『血と骨』が並んでいたら、迷わず『血と骨』を選びたい。

     

    『血と骨』には、生身の人間の命や肉体が ありありと刻まれている。

    私は その前で ただ立ち尽くすしかない。 

    梁石日さん、すごい人。

     

    September 20

    ハードボイルド

    いつか読んでみたいと思っていたのが、北方謙三さんの本。
     
    で、電車待ちの時間に フラっと立ち寄った書店で
     
    小説のような、エッセイのような 短編集を目にした。
     
     
    さっそく買って 電車の中で読んでみたのだけれど、
     
    ものすごい 力というか、熟成した人の感覚、みたいなものを 感じた。
     
     
    いっちょ前に わかったような 悟りすました顔をするのはやめよう。
     
    もっと、年をとって、それも しなやかに年をとってから
     
    わかること、言えることが あるのだろうから、 と思った。
     
     
    この人を よく知らないのだけれど、どんな人なんだろう?
     
    破天荒というわけでもなさそうだし……。
     
    ある人に言わせると 「ハードボイルド」 らしいけれど
     
    私は その「ハードボイルド」が よくわからんのです。
     
     
    カタイのかな? 鋭いのかな~?
    August 02

    シバリョータロー

    いま読んでいるのは、司馬遼太郎さんの『街道をゆく 韓国』。

    毎日少しずつ、電車の中で読んでいる。

     

    世の中には いろんな韓国の話、旅行記、日記があるけれど、 思うのは、

    司馬さんのこの本は、うわべだけでは ないな、ということ。

    自分が感じたことだけを 並べ立てていなくて

    読む人が、その風景を すごく描きやすい。

    目を閉じると、あの土が、風が、緑が、浮かんでくる。

     

    一見 淡々としたリズム、けれども 司馬さんのリズムがある。

    リズムにのって、韓国の風景も、田舎の坂道も、人の朴訥(ぼくとつ)な顔も、

    こころに しみいるように 感じられる。

     

    今日は、慶州で 高齢のおじいさんと司馬さんが出会ったところを読んだ。

    おじいさんが、司馬さんに会い 「イルボン(日本)、うれしい」と しきりに喜んだので

    司馬さんが 驚き、涙がこぼれそうになったという。 

    それで 私は、またもや 涙腺が緩んでしまった。 

    司馬さんの本も、やはり電車では 読めぬのか……

    July 16

    あこがれのひと

    向田邦子さんの文章は、いい。

     

    文章のリズムから、人のいきざまが 響いてくる。

    さばさばした 潔さと、こころが きゅっとなる せつなさ。

    ホロリとさせられるところが、また、たまらない。

     

    向田さんの本は、電車の中では 読めない。 

    いつ、どんなときに 

    涙がこみ上げてくるか わからないから。

    そんな 不意打ちが、また、向田さんの 素敵なところ。

     

    向田さんの本に出てくる料理たちは おいしそうなものばかり。

    たべものそれぞれに、 感覚、印象、イメージが くっついている。

    この場面で りんごをだすか、 それとも うなぎをだすか。

    そういう 向田さんの感覚が、とてもおもしろいな と思う。

     

    家族の描写にも 心ひかれる。

    どこにでもあるような、でも 懐かしいような 家族たち。

    ありふれた 生活の一場面でさえも、きらきらと 輝きをはなつ。

     

    向田さんの文。 思いつく、素敵なところを挙げてみたが、きりがないな。

     

    おすすめは、『寺内貫太郎一家』(新潮文庫)。

    July 10

    インドの人

    私に 影響を与えた本のひとつに、 『ガンジー』 がある。

     

    パラパラと ページを繰ると、ところどころに マーカーが引いてあった。

    「人間が人間であるのは、自己抑制があるためではないか」

    「必要以上のものを持つということは、他の誰かから盗んだのと同じだ」

    「自分のあやまちは凸レンズにかけて拡大し、

     他人のあやまちは凹レンズで縮小して見て、それでちょうどだ」

     

    私は どんな気持ちで これらにマーカーを引いたのかな。

     

    ガンジーは、正しいことをしたのか、私にはよくわからない。

    ある人は 政治的にミスをしたと主張するし、そうでない人もいる。

     

    けれど、そういうことを抜きにしても、 私は ガンジーに惹かれる。

    もっと ガンジーのことを 知りたいとも思う。

     

    よぼよぼの ガンジーが、塩の行進をしている情景を 思い浮かべる。

    周りには 子供や大人。 一緒に歩みをすすめている。

     

    ↓ガンジー関連の書籍中でも もっともわかりやすい一冊。

      坂本徳松著 『ガンジー 人と思想28』 清水書院

    July 03

    壊されなかった光化門

    ソウルの観光定番コース、「景福宮」。

    その 景福宮の正門が、有名な「光化門」である。

     

    実は 光化門は、かつて、取り壊しの危機にあった。

    日本の朝鮮統治時代、総督府建設のためである。

    しかし ある日本人が、 光化門の美しさ、すばらしさを伝え、

    取り壊しの危機を 免れたという。

     

    その日本人とは、柳宗悦(やなぎ・むねよし)という人だ。

    かつて 朝鮮美術・建築に 心を寄せ、 その価値を見出し、主張した。

     

    「光化門よ、光化門よ、

     お前の命が もう 旦夕(たんせき)に 迫ろうとしている」

    …柳さんは このように、光化門、朝鮮美術の美しさを 切々と訴え、

    光化門は 総督府建築に伴う取り壊しは 回避した。

    (しかし その数年後、光化門は 朝鮮戦争で 焼失してしまう。

     現在の光化門は、戦後 復元されたもの。)

     

    さて、柳さんの著作 『民藝四十年』では、光化門に対する一文のほか、

    さまざまな 美、民藝に関する文章が つまっている。

    たとえば 「雑器の美」という項では、既定の「美」に左右されず、

    毎日使う皿一枚にさえも その中に「美」をみる、

    そんな柳さんのこころが 強く伝わってくる。

     

    私も、そういう姿でありたい。

    どこの国が 上だとか 下だとか 進んでいるとか遅れているとか

    そのモノが 高価だとか 有名な芸術家の作品だからとか、

    そういうことに とらわれずに、自分の目で、

    「美しいもの」を 捉えてゆきたい、そんなことを感じる一冊だ。

     

    ↓光化門と、柳宗悦『民藝四十年』岩波文庫

    March 18

    ひとつの詩

    落花            イ ヒョンギ

     

    行かなければならないときが いつであるかを

    はっきり 知っている人の

    うしろ姿は どれほど美しいことか

     

    春、ひとつの季節

    はげしさを こらえた

    私の愛は 散っている

     

    乱れ散る 落花……

    別れが成す 祝福につつまれて

    今、行かなければならないとき

     

    生い茂る緑陰と そして

    やがて実を結ぶ 秋に向かって

    私の青春は 花のように 散る

     

    別れよう

    か細い手を 揺らして

    さらさらと 花びらが散る その日

     

    私の愛、私の別れ

    泉に 水がよどむように熟れた

    私のたましいの 悲しいひとみ

     

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    낙화                               이형기

     

    가야 할 때가 언제인가를

    분명히 알고 가는 이의

    뒷모습은 얼마나 아름다운가.

     

    봄 한 철

    격정을 인내한

    나의 사랑은 지고 있다.

     

    분분한 낙화…….

    결별이 이룩하는 축복에 싸여

    지금은 가야 할 때.

     

    무성한 녹음과 그리고

    머지않아 열매 맺는

    가을을 향하여

    나의 청춘은 꽃답게 죽는다.

     

    헤어지자

    섬세한 손길을 흔들며

    하롱하롱 꽃잎이 지는 어느 날.

     

    나의 사랑, 나의 결별

    샘터에 물 고인 듯 성숙하는

    내 영혼의 슬픈 눈,

    January 20

    100と1つの 恋の話

    秋に、一冊の本が 目にとまった。

    黄金色の 銀杏の木の下で、一人の女の子が 

    目を閉じて 何かを待っている様子の表紙だった。

     

    この本は、FMラジオのある番組の中で放送された

    101つの恋の話を まとめたものだ。

     

    この本、ちょっと構成が変わっている。

    101の恋の話 それぞれに、男の立場からみたその恋の話と、

    女の立場からの その恋の話が 描かれているのだ。

     

    構成のアイデアも さることながら、内容も素敵だ。

    色とりどりの恋模様が ちりばめられていて、

    一つ一つが 輝いて、かわいらしくもあり 切なくもある。

     

    寒い冬、あたたかい オンドルの部屋の中で、

    一夜に ひとつの恋物語を 読み進める。

     

    『그 남자 그 여자』 이미나著 9500ウォン

    (『その男 その女』 イ ミナ著 約950円)